看護師1年目は勉強や仕事を覚えることが多く、看護師人生の中でも1、2位を争うくらい辛い時期と言っても過言ではありません
そのような時期であるため、仕事をしていく中で新人看護師が「自分は看護師に向いていない」と落ち込んでしまうこともしばしばみられます
この記事では、現役10年以上の筆者が自身の経験と新人看護師の成長を間近で見て感じたことを通して、
- 本当に看護師に向いていないのか
- 看護師1年目が落ち込む原因
について紹介しています
看護師1年目が落ち込む原因は?
看護師1年目が落ち込む原因はいくつかあります
原因を箇条書きにまとめました
- 度重なるインシデント
- 同期と比べて劣等感
- 残業が多い 研修勉強会
- 看護技術や知識不足
- 患者の情報収集が不足プライマリー
度重なるインシデント
新人看護師の成長に伴って、少しずつ任される業務が増えていきます
先輩看護師の見守りが減って、自分でタイムスケジュールを立てて動いていく時期にインシデントを起こしやすいです
- 慣れによる思い込み
- 多忙による管理・確認不足
- アセスメントが不十分
筆者は配薬忘れや点滴の手動調整が不十分でインシデントレポートを提出したことがあります
インシデントは反省文ではないと言われていますが、やはり当事者は陰性感情を持ちがちです
気持ちの切り替えができていない時こそ、不注意で新たなインシデントを起こしてしまうこともあり、どんどん追い詰められた気持ちになっていきます
インシデントに対して、師長や先輩看護師の対応にもよって前向きになれるか変わってきます
それが不十分だと、自分は看護師に向いていないと落ち込んでしまいます
同期と比べて劣等感
自分が同期と比較してしまう
人は無意識に他人と比べてしまう傾向があります
筆者も新人の頃は要領の良い同期と比較して、自分自身を苦しめていた時期がありました
同期のあの子はもうこんなことまでできるんだ…
実際は同じように勤務をしているつもりでも受け持つ患者が違うため、仕事内容がそれぞれ異なってきます
(当事者は実際こんなことを考える余裕はありません)
また、他人と比較してしまうの自分だけではありません
先輩看護師が新人看護師同士を比較する
先輩看護師も1年目同士で比較します
この新人さんはこのスキルの経験が足りないから、できる機会をつくろう!
といった前向きな比較であれば良いのですが、そうでないこともあります
意地悪な人は優劣をつける場合があります
新人看護師は日々復習や勉強をしていますが、頭ではわかってるけど身体が覚えていないところが多々あります
思い返しながら行うので、手技がゆっくりになってしまったりミスしてしまうこともあります
しかし、要領の良い人だとあっという間に覚えてパパッとできてしまう人も実際います
そういったできる新人看護師と比較されてしまうと、この新人は仕事ができる、あの新人は要領が悪くて仕事ができないといった烙印を押され、冷遇されてしまうことがあります
そうして自信をなくし、自分は看護師に向いていないという気持ちにさせられてしまいます
残業が多い
看護師1年目は、業務で確認することが多かったり、要領良くまだ仕事ができないことから残業時間が多くなる傾向があります
自分の業務が終わっていない中、勉強会に参加させられたりするので、自分の残った業務を中断せざる得ない状況になります
先輩看護師がフォローに入ってくれたり、業務調整してくれると残業を緩和することができますが、それがされないと新人看護師はどんどん疲弊します
また、上下関係が厳しい病院だと、先輩看護師よりも先に座って記録に取り掛かることは御法度とされています
パソコンの台数が人数分ないことから、先輩の記録が終わるまでナースコール対応させられることもあり、残業せざる得ない状況に苦しめられます
看護技術や知識不足
新人看護師はとにかく勉強の毎日です
看護技術や知識など、身につけることが山ほどあります
なかなか看護技術を覚えることができなかったり、知識不足によりアセスメントができていないと、多忙な背景があることから先輩看護師からキツく指導されてしまうことがあります
努力していても要領の良さや物覚えは個人差があるので、それをわかってほしいですね…
技術や知識をなかなか自分の物にできないと、自信を喪失して看護師向いていないと感じてしまう方も多いです
患者の情報を把握し切れない
患者の身体的・精神的・社会的情報は、治療の経過や退院後の生活をアセスメントするために必要不可欠です
この患者さんは、
- なぜこの薬を飲んでいるのか
- なぜこのリスクが高いのか
- なぜこの検査データを特に注意しないといけないのか
- 入院前よりもADLが低下したけど退院後はどのようなサポートが必要か
など患者さんの情報を元に、関連づけて考えていかないといけません
そこで勉強不足だと、アセスメントが不十分となるため知識を身につける必要が出てきます
それらが上手く行えないと、自分の不甲斐なさから看護師向いてないと感じてしまう可能性があります
看護師1年目が落ち込む時期は?
自身の経験や職場、看護師仲間から話を聞くと、だいたい6月頃が多いと感じました
自立してできることが少しずつ増えてきている時期ですね。
しかし、教わったもののまだ習得しきれていない状態があったり、日勤での受け持ち患者の人数が先輩看護師と同等もしくはやや少ないくらいとなり、多忙な業務になっている時期とも言えます
病院によって異なってきますが、4月や5月上旬頃は先輩看護師がフォローとしてフリーになっている場合があります
その時期を過ぎると先輩看護師も部屋持ちをしながらのフォローとなるため、
わからないことがあったり、やったことがなければ聞いて
と変わってきます
先輩看護師も多忙なので、わからないことを聞くタイミングが非常に難しいです。かなりのストレスとなります。
このような要因があることから6月頃が落ち込みやすい時期といえます
この時期にフォローが足りないと、夏のボーナスが区切りとなって辞めてしまう方が多いです
環境が合わなければ転職もあり
看護師1年目は多忙で辛い時期ですが、先輩看護師から理不尽な扱いを受けて辛い時は転職することをお勧めします
キャリアを詰めていなくて転職に不安を感じる方も多いと思いますが、看護師の求人は数多くあるので心配いりません
実際にそのような方が入職しますが、未経験として丁寧な教育に努めています
求人情報を収集する意味でも、無料なので登録しておくといざ行動するときに役立ちます
本当に看護師向いてないのか
上記でも記載したように、看護師1年目は落ち込むことが多いです
結論から言ってしまうと、看護師1年目では看護師向いてる向いてないの判断はつきません
あえて言うのであれば、教育係を担当していた筆者としては、自分を責めてしまう人ほど真面目な性格で良い看護師になれていると感じています
看護師に向いていない人こそ、自分では気づけず周りの方が先に気付きます。
看護師1年目は覚えることが多く、勉強にいっぱいいっぱいな毎日で、自分のやりたい看護ができる余裕がありません
個人差もありますが、看護師3年目くらいで後輩に教えられるくらいにまで成長します。
その頃にはタイムスケジュールの組み方が上手になり、学んできた看護を提供できるようになります
そこでようやく看護師での在り方や、自分が看護師に向いているか、やりがいもって仕事ができているか判別がつくかと思います
この記事のまとめ
- 新人看護師は6月ごろから落ち込みやすい時期であり、フォローが適切でないと夏のボーナス後に辞めてしまうことがある
- 看護師1年目で自分は看護師に向いている向いていないという判断をつけるのは早過ぎる
- 新人看護師が落ち込むと自分は看護師に向いていないと責めてしまう傾向にあるが、そのように悩む人ほど真面目で努力できるため看護師に向いていると言える
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